本気コース:本気コース/30代後半
ニュージーランド生活の最後に、私は大学での研究室ボランティアを経験することができました。私のビザは観光ビザなので、9か月ニュージーランドに滞在することはできますが仕事をすることは許されていません。なので、私は語学学校を卒業した後、一人旅、エクスチェンジ、日本語教師ボランティアと、働かずに英語環境に身を置いてニュージーランド生活を楽しみました。
南島で一人旅をしていた時に、ダニーデンという町に寄る機会がありました。ダニーデンにはオタゴ大学というニュージーランドで一番古い大学があり、その町はその大学を中心とした学生の町として知られています。オタゴ大学は、ビジネス、文学、医学や薬学、サイエンスなどが学べる総合大学で、私はかつてサイエンス関係の仕事をしていたことからこの大学に興味がありました。また、日本の大学の研究室で働いたこともあったので、この経験を生かして大学の研究室でボランティアとして何かサポートできないかと思うようになりました。
さらに、海外の大学の研究室というのはどういうものか経験してみたいこともあって、その旅の途中にオタゴ大学を直接訪問してみることにしました。まず、私の大学時代の専門であったMarine science学部に行き、受付の女性に熱意(?)を伝えました。すると、その女性が、ある先生を呼んできてくれて、その方とその場でアポを取り、数日後お話しを聞いていただけることになりました。先生は私の詳しい専門分野を聞いたうえで、Marine science学部ではなくMarine scienceとつながりのあるBiochemistry学部の先生を紹介してくれ、その先生のメールアドレスを教えてくれました。
また、直近ではMarine science学部ではボランティアワークは募集していないと聞かされ、私は次にBiochemistry学部のその紹介してもらった先生に会いに行くことにしました。そちらも体当たりで直接訪問したのですが、先生がなかなか捕まらず、受付の方に申し訳そうにされながら1日に何度も訪ねました。そして、やっとのことで出会えたその先生は、快く私を研究室に案内してくださり、またある研究プロジェクトについて話され、その研究に関する論文を私に2報くれました。そちらもすぐにはボランティアを開始できなかったのですが、先生にこれらの論文を読んで興味があったらまた連絡をくださいと言われ、私のボランティアを歓迎していただけるようでした。
私としては、当初は研究室の雑務的なボランティアをするつもりで訪問したのが研究プロジェクトに参加できるかもしれないと知って、ハードルは高くなったのですがこれらの論文の解読(?)にぜひトライしてみよう!と思いました。そして、両学部の先生ともに、どこの馬の骨とも分からない外国人の私に忙しい中会って話を聞いてくださり(当初CVも持って行っていなかった)、驚きとともにニュージーランドの大学は本当にオープンだと感じました。その後、私は別のボランティアでオークランドに一旦帰らなければならなかったこともあり、ダニーデンを後にしたのでした。
さて、オークランドに戻った後これらの論文を読み始めたのですが、何せ自分の知らない研究分野で、かつ当然英語なので思ったよりも時間がかかってしまい、先生に連絡を取るのが当初の予定より遅くなってしまいました。すぐに返事をいただけるかと思いましたが、しばらく連絡が来ず心配になってきたと同時に真冬のダニーデンでの滞在にも若干不安を感じ始めてきました(多くの人からダニーデンの冬は非常に寒いと聞かされていたからです!)。また、オークランドから相当離れたダニーデンに行くには飛行機の手配や宿の確保も必要ですし、先生から返事を得られないことには先の予定が定まらないこともあり、1週間待った後勇気を出してもう一度メールを送ることにしました。すると、すぐに返事をいただき、そのメールには、私の研究ボランティアをとても歓迎していただけること、またいつから受け入れ可能であるかということなどが知らされていて、私はようやくダニーデン行きを決心し、皆に寒さを心配されながら真冬の南島に向かうことになったのでした。
Yukiko N.
<スタッフより> Ask, then it will be given!と言うけれど、旅で訪れたダニーデンで思い切って大学を訪ね、ボランティアを申込んだのは素晴らしかったですね。この国の良いところはドアを叩く人には開くチャンスがちゃんとあるってこと。日本では、いきなり訪ねて行った人をボランティアで迎えるなんてまず考えられないけれど本当にそういった意味では素晴らしいチャンスをものにしましたね。きちんと行動を起こしたYukikoさんは素晴らしいです☆ Akiko |