ホーム >> レポート・インタビュー
ピリ辛留学レポート
6月11日
今回のレポートはオークランドのアロマショップにてマッサージとアロマの香りで多くの人に癒しを与えている中川まゆみさんです。
私は中学時代から海外生活に憧れていて、中学の時に母にお願いして「2週間のハワイ研修」に行かせてもらいました。基本は寮で生活するのですが、2日間くらいホームステイにも滞在し、英会話を習ってもいなかった私は、中学校で習った覚えたての英語をカタコトでなんとか話したりして、それはもう「人生が変わった」くらいの経験でした。
その後も、短大の時に2ヶ月間アメリカへ短期留学とホームステイを経験し、「海外に出たいという気持ち」はそれ以降もずっと持ち続けていました。
それでも短大を卒業してすぐは日本で就職をしました。クレジットカード会社で4年間正社員として勤め、海外に出るためのお金を貯めました。
実はこの会社で働いていた時に、偶然アロマとの出会いがあったのです。ある日、会社の同僚が15個くらいエッセンシャルオイルが入ったアロマキットを持ってきていて、のぞいていると「ハンドマッサージをしてあげる」といって、その場でオイルを調合してハンドマッサージをしてくれたのです。その時、「こんな面白いものがあったんだ」と思いました。
しばらくして、タイミングの良い時に会社を辞め、最初に行ったのはオーストラリアのワーキングホリデーでした。到着後すぐは語学学校へ通って、そのあとは留学エージェントやお土産屋さんなどで働き、できるだけ自分を英語環境へもっていくように努力していました。
そんなある日、本屋さんでふとアロマの本を見つけたのです。同僚がしてくれたハンドマッサージを思い出し、英語の本だったのですが、その場で買って帰りました。その本には、「ラベンダーとローズマリーを何滴いれるとこういうものができる」というようなレシピが書いてありましたので、すぐにいくつかエッセンシャルオイルを購入して、実際にレシピ通りに混ぜ合わせ、香りを楽しんだりもしました。
この、オーストラリアで偶然アロマの本に出会ったことが、私がアロマの世界に入る大きなきっかけだったのかもしれません。
オーストラリアで再びアロマに出会ったとはいっても、すぐにアロマの世界へ飛び込んだ訳ではないんです。
当時は「アロマを仕事にして食べていくことはできない」と判断して、コンピュータースクールでウェブデザインを勉強しました。ウィンドウズ98が市場に出回っていたのと、オーストラリアでも、「パソコンが使えないと役に立たない」というような話をよく耳にしていたからです。実際にデザイナーとして就職もしましたが、しばらくするうちに「これは私がやりたいものとは違う」と気付き、本当に自分が興味のある「『アロマ』のカルチャースクール」に通いました。
そこでは、エッセンシャルオイルの知識を学びながら、実際にオイルを使って化粧品、石鹸、ルームスプレーや香水を作ったり、マッサージ方法などを学びました。ここで、「やっぱりアロマが好き」という気持ちを再認識し、ますますアロマの世界にひきこまれていったのです。その後、独学でもアロマセラピーを勉強し、日本のアロマセラピー検定1級、アロマセラピー・アドバイザーの試験に合格しました。
また、アロマを真剣に勉強し始めたのと同時に、ビューティーセラピストとしてエステサロンでも働きはじめました。それは、アロマと切り離せないマッサージが自分に合っているかどうかを確かめたかったからです。そこでは、全身マッサージやフェイシャルマッサージなど様々なマッサージを行いましたが、お客様が私のマッサージの後に、「疲れがとれました。ありがとう。」と言ってくださることに喜びを感じるようになっていました。そうして、「この仕事は自分に合っている」と確認し、アロマの道に進むことを決めました。
それはつまり、前からずっと考えていた『アロマ留学』を実行するということでした。
留学先として、ニュージーランド、オーストラリア、イギリスを迷っていたのですが、「ニュージーランド人は優しい」という話や、「自然がいっぱい」のイメージがピンときて、ニュージーランドで「アロマ留学」をすることに決め、ワーホリビザで渡航しました。
オークランドに到着してすぐ、まずは仕事を探しました。フラットメイトがCITYのDowntown Shopping Centreにあるアロマのお店「Extracts」の存在を教えてくれ、ダメ元でCVを持っていきましたら、11月半ばのクリスマスで忙しくなる前だったのもあって、運良く雇ってもらえることになったのです。
そこで、オーナーが卒業したという「Wellpark College of Natural Therapies」というアロマを学ぶことができる学校を知り、働くと同時にその学校に通うことに決めました。
学校に通いながら働くのは本当にきつかったです。2週間連続で休みがない時もありましたし、学校の授業についていくのも必死で、家では一日中部屋から出ないくらい勉強していました。あの頃は食べるのも忘れるくらい集中していましたね。
学校では、英語でもとても苦労しました。現地のニュージーランド人たちと同じように勉強する訳ですから、英語力はもちろんですが、本当にやる気がなくてはついていけません。
例えば、授業で大変だったのは、「このテーマについてあなたはどう思うかみんなで話し合いましょう」と言って先生がプリントを配るとしたら、私が半分も読み終わらないうちにみんなはもう読み終わっています。あと、ペアになって何かをする時なども、私の英語力が迷惑にならないように、とても気を遣いました。また、グループレッスンの際、みんなで意見を出し合うときにも、英語についていくのに必死なのと、また、日本人は自分の意見を言うことに慣れていないので、私が黙っていると「まゆみはどう思うの?」と聞かれます。「みんなの言っている意味が分からないんだけど。」と正直に言わざるをえない状況も多々ありました。でも、クラスメートは本当にみな親切な人達ばかりで、私の立場を分かっていつもサポートしてくれました。こんな私が学校を主席で卒業できたのも、サポートしてくれたクラスメート達のお陰だと思っています。
今も同じアロマショップ「Extracts」にてアロマセラピストとして働いています。
仕事内容は、カウンセリングをしてお客様に合ったアロマオイルをアドバイスしたり、ネックショルダーマッサージとフェイシャルマッサージ、また、お店に置いてありますアロマオイルやその他の自然化粧品、ボディケア商品の販売・接客も行います。
お客様によって使ってはいけないオイルがあったり、生活習慣に合わせて適切なオイルを選びますので、アロマのカウンセリングやマッサージでは、コミュニケーション力が必要になります。販売のほうでも、お肌の悩みやスキンタイプなどをおうかがいしますので、英語は必須です。今でも「まだまだ」と思って英語の勉強を続けています。
今後の目標はいっぱいあります。今よりもっとトータル的にアドバイスができるよう、栄養学を学ぶために学校に戻りたいとも思いますし、マッサージのディプロマを取りたいという気持ちもあります。ビューティーセラピーについても、もっと勉強したいと思っています。
留学したい女性へのメッセージ あせって海外に出る必要はないと思いますが、何かを「やりたいな」と思ったら、第6感みたいなものを大切にしてみるといいと思います。それから自分でよく考えて、でもやっぱりまだ「やりたい」という気持ちがあるのなら、お金とか語学力とかを言い訳にせずに前向きに進んでいってほしいと思います。 そして進んでいったら、その先に何かが見つかる可能性もあるし、一人一人さまざまな可能性があると思いますので、イヤな仕事を続けるよりも自分に合ったものを見つけて羽ばたいて頂きたいと思います。 |