Yajima Yukikoさん
今回の仕事レポートは、オークランドのテレビ製作会社BUTO BASE Ltdにて、たった一人の日本人スタッフとして働くYajima Yukikoさんです。
矢島さんは日本にいる時、IT関係の外資系企業でコンピューターの営業やマーケティングの仕事をしていました。外資系の会社なので社内メールは英語。しかし、周りの同期がTOEIC800点台という人達ばかりの中で、矢島さんはあまり英語が得意というわけではなく、TOEICさえ一度も受けたことがありませんでした。それでも、直属の上司やお客様がみな日本人だったため、あまり英語の必要性を感じることがなかったそうです。段々仕事にも慣れ始めたころ、会社から「そろそろTOEICを受けなさい。英語能力を高めなさい」という指示が出始めます。と同時に矢島さんは、大きい会社に入りたいという気持ちでこの会社に就職したけれど、「私ってコンピューターに興味あったのかな?」という仕事に対する疑問が生まれ始めます。
これからの時代、“英語の必要性”というものは感じていたものの、会社の勧める“英語の資格試験”にはあまり興味がなく、「英語の問題が解けるようになるよりは、英語が話せるようになりたい」と思った矢島さんは、「海外に出て、実践で英語を勉強する」ことを決意。3年間働いた会社を退職し、ニュージーランドにワーキングホリデーで渡航することに決めたのです。
ニュージーランドで2ヶ月語学学校に通ったあと、コーヒーが大好きな矢島さんはカフェの仕事を探します。履歴書を何枚も持ち歩き、一軒ずつ「カフェで働きたいのですが」とあたってみますが、その時はまだ英語力も十分ではないため、なかなか仕事は見つかりませんでした。
そんな時、日本食レストランで働いていた友達が日本へ一時帰国することになり、その間だけでも代わりに働いてほしいと頼まれ、そのレストランでスタッフとして働くことになります。
日本食レストランで働き始めると、スタッフもお客様もほとんど日本人のため、仕事中はほとんど日本語で、ストレスを感じることなく楽しく働くことができたそうです。しかしその時、その環境に「これでいいや」とは決して思うことはなかったとか。少しでも英語環境の職場を探そうという気持ちを持ち続け、レストランで働きながらもカフェの仕事を探し続けます。
すると、ある日、ニュージーランドのK-1選手のファンだった矢島さんは、ひょんなことからレストランに来ていたお客様とその選手の話で盛り上がります。そのお客様がその選手のマネージャーと知り合いだったことから、後日そのマネージャーを紹介して頂ける機会に恵まれます。そしてマネージャーの方と直接話すことができ、格闘技が大好きだという話を伝えると、「うちの会社は日本とのやりとりが多いけれど、日本人スタッフがいない。日本との交渉や、スケジュール調整も日本語ができるスタッフがいればよりスムーズにいくと思うんだ。もしよかったら、うちで働いてみないかい?」と仕事のオファーを頂くことができたのです。
「最初の仕事は格闘技関係の仕事で、主に日本との連絡係でした。その時は大好きな格闘技と関われて、日本語も英語も使用する仕事だったので本当にうれしかったです。会社はもともとテレビ番組制作会社なので、格闘技の仕事が終わったあとも日本のテレビと関わる仕事が度々あり、私がいつも窓口になっていました。そして私のワーホリビザが終わった後も、ワークビザをサポートしてもらえることになり、そのまま働くことになったのです。
仕事は、芸能人やレポーター、ミュージシャンと連絡をとったり、彼らがニュージーランドに来た時はプライベートの通訳になることもあるので、本当に楽しいですね。
でも正直、ビジネス文化の違いにとまどうこともありました。一度、日本に格闘家のスポンサーシップの契約を取りに行くという仕事があり、日本のビジネスを知っている私が、英語で作られたプロポーサル資料を日本語に訳して日本向けに作り直すことがあったのです。日本で営業をしていたので、プロポーサル資料のことは分かるのですが、英語を訳して『さぁ、どうだろう』という時に、金額的なもの、具体的な数字などが一切書かれていないことに気づいたのです。これでは、日本側も判断がしかねると思ったのでその旨を伝えると、『そこが分からないからビジネスは面白いのじゃないの』と言われてしまいました・笑。」
日本とニュージーランドの両方の企業で働いた矢島さんは、両方の良いところ、悪いところを見て、次は日本に活躍の場を移すことに決めました。「ニュージーランドの生活は本当に楽しいです。仕事に関しても、遊び心を大事にして楽しみながら仕事をするというキウィスタイルは大好きなのですが、もう一度、刺激的でスピード感のある日本のビジネスに戻りたいという気持ちが大きくなってきたのです。」
ビジネスコンサルティング会社のグローバル部門から仕事のオファーを頂いているという矢島さんですが、第一志望はニュージーランドやオーストラリアのお酒を扱う貿易会社だとか。「どちらも英語を使う仕事です。スタートは遅くなってしまいましたが、少しずつステップアップができればいいですね。今は、ようやく私も“英語を使って仕事をする日本人女性”になれたのではないかと思います。今は新卒の方でもすでに英語が堪能な方が多いと聞いていますが、遅ればせながらでもそこに食い込んでいければ、と思っています。」
ニュージーランドで英語を覚え、仕事の経験を積み、次は日本で“英語を使った仕事”をするという矢島さん。日本でも頑張ってください!
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留学したい女性へのメッセージ まずは20代後半でも「遅くない」ということ。そして留学、ワーキングホリデーで来られる方は限られた時間の中でなんでも挑戦してみることが大事だと思います。ちょっとでも興味があれば飛び込んでみて、「恥ずかしい」と思わないこと。「どうしよう、どうしよう」と頭で考えるだけでは何も始まりません。 あとは、あまり職種にこだわらずチャンスがあれば貪欲に食いついてみることです。最初、私はカフェで働くことにこだわっていましたが、日本食レストランで働いてみたからこそ、今の自分があります。 チャンスがあれば、そこからどんな人間関係がひらけるか分かりませんし、どんな次のチャンスがやってくるか分かりません。まずは動いてみて、そして自分の希望とはたとえ違った環境であったとしても決してあきらめないことです。 私はコーヒーが大好きなのでカフェで働きたかったのですが、今、仕事の合間にいきつけのカフェに飛び込んで「コーヒーの入れ方」を教わっています。ニュージーランドはそういったことでも受け入れてくれる寛大さ、遊び心を持った国です。ニュージーランドで是非、あなたのやりたいことに挑戦してみてください。 |






