「NZワインを知りたい!」という興味本位からスタートしたNZワインショップでの仕事(5月21日レポート参照)。これが大変でした。今まで経験したようなアルバイト感覚はなく、契約書を読んで同意のサインというペーパーワークの嵐!まるで正社員扱いのよう・・・。どうやらきっちりしたNZの企業に入ったようです。日本語でもこういう書類関係の作業は苦手なのに、それが100%英文な訳です。軽く泣けてくる程ちんぷんかんぷんだったのを覚えています。ひたすら辞書を片手に1枚1枚突破していきました。この日ほど「辞書を持ち歩く癖をつけておいて良かったな」と思った日は無いと思います。
ある日、「はい、これ読んでおいて。学校のコースに通うのよ」とマネージャーからコース概要が書いてある用紙をもらいました。その紙を熟読すると、私がこのコースを受講してDuty Managerの資格を取らないといけないのだとわかりました。受講料はもちろん会社支給で、すでに本部の担当者が学校に私をアサインしていたようでした。毎週月曜日の2回のみでしたが、語学学校以来、約半年ぶりの学校。しかも今回は英語の勉強じゃない、周囲のほとんどがネイティブの人という環境でとても緊張しました。
NZの法律では、レストランでもショップでもお酒を扱う場所では、必ず免許・資格が必要です。営業時間中は、必ずDuty Managerの有資格者を配置しなくてはなりません。この国のアルコールに対する法律はとても厳しいと思います。例えば、18歳未満へのアルコール販売禁止。日本でも20歳未満は飲酒禁止ですが、特に身分証明書(ID)の提示を求められないことの方が多く、法律の効果があまりないのが現実です。NZでは飲酒は18歳以上から可能ですが、25歳以下に見える人にはIDの提示を必ず求めます。求められた方は拒否してはいけません。それも法律違反の罰金対象です。18歳以下にアルコールを販売するとNZ$10,000(100万円)の罰金、企業から即クビです。すでにひどく酔っ払っている人への販売、顧客を泥酔させるまでアルコールを提供するのも法律違反なのです。
無事、試験はパスしました!自分で言うのも気が引けますが、本当に勉強しました。語学学校に通ってピリ辛の補習を受けていた頃も大変だったけど、今回は「英語はわかって当たり前」の世界な訳ですから・・・。試験の内容は、アルコールの法律です。暗記しなければならない部分も多い中、私は文章を理解するのにでさえ時間を要しました。法律の英語ですから、さらに輪をかけて英語が難しいんです。語学学校時代より辞書は使っていました。調べていると「こんな単語絶対知っていても使えない!」と思うことは少なくなかったです。なかなか覚えられないとき、「私はネイティブじゃない!」と何度も逃げそうになりましたが、“ネイティブじゃないからこそ人一倍頑張らなくちゃいけない”と必死にテキストにかじりついていました。どうしてもわからないところは仕事中にマネージャーに教わったりして、遠慮は一切しませんでした。試験勉強は1週間。1回目の講座から次週の講座日までです。その間、週約40時間のシフトもこなし、仕事の前もオフィスで勉強、仕事から帰っても寝るまで勉強しました。
私の働くワインショップでは月1回、本部でワインのスタッフテイスティングが開かれます。そこでコースをたまたま一緒に受講していた別店舗の仲間に「あの試験、簡単だったよね。」と言われ、かなりショックでしたが、彼はNZ人のネイティブ。比較しようもないです・・・。
NZにいるピリ辛のメンバー、そしてこれから渡航される皆様へ。<お酒を買う時やレストランでお酒を飲む予定があるときはパスポート忘れずに!>コピーでもダメです。元本のみ。アジアの人は若く見られがちです。自分では大丈夫と思っていても、結構IDの提示を求められます。某スーパーマーケットでは国際免許証でも有効だと話を聞いたことがありますが、法律では認められていません。アルコールが入ると危機管理を怠りがちですがパスポートの管理にも十分に気をつけたいところです。ワーホリ中や留学中、お酒を飲みながら友達とおしゃべりするのは、とても楽しいひと時です。特にNZワインはおいしいのでオススメです。滞在中は、たくさんのそうした機会を過ごすのも素敵だと思います。是非是非、楽しんでほしいです。
私が今回取得したものは、取ろうと思って取った資格ではないし、日本で有効な資格でもないけれど、ワーホリの最後にひとつ目に見える物を勝ち取ったちょっとした達成感があります。自分にあそこまで集中力があったなんて自分でも驚いてしまいます。実は試験の前日、ピリ辛の遠足に参加していたので、代表の小松さんには「そんなに簡単に取れるのか?」と言われる始末・・・。でも遠足のとき、結構ヘロヘロだったんですよ。。みんな土壇場に立ったら、何でも出来るんだと改めて思いました。伸び悩んでも、苦しくても自分にとって「やらなきゃいけない。どうしてもやりたい」と思ったら、きっとみんな出来るはず!この資格の勉強を通して、私が一番学んだことです。次に私に待ち受けているのは、日本での就職活動です。まだまだ悩みが多いですが、あの自分があったからこそ、きっと大丈夫、そんな気がします。
Norie.H
<スタッフより> Norieさんがワインショップの仕事の前にオフィスに来て、「サイレントルーム」で黙々と勉強をしている姿を思い出しました。ずいぶん前のことのように感じます。。。 Takako |